DISTRICT 37

なにか

第53回スーパーボウル

2月の第一月曜日。年に一度のお楽しみと呼んでいるこの日、私用でも体調不良でもなく、ただ休む。なぜならスーパーボウルが日本時間の月曜日、朝8時から中継があるからだ!!夜中にも再放送はあるのだが、ヤフートラップなどに苦しめられる可能性もあるので、観戦は生放送に限る!!!

ペイトリオッツvsラムズ

今回の対戦カードは、去年に引き続きレジェンドQBトムブレイディ率いるNEペイトリオッツ。対して33歳の若きヘッドコーチが指揮するLAラムズ

ペイトリオッツの常勝っぷりは王朝(Dynasty)とも呼ばれ、シーズンたったの11勝しかできなかったわーとミサワ的な悔しさを表している。ブレイディだけ見るとスーパーボウルにこれまで5回勝っており、PITスティーラーズに並ぶタイ記録を持っている。この記録はブレイディという個人とスティーラーズというチーム比べているところがまた面白い。シーズン序盤に連敗し、41歳のブレイディはそろそろ落ち目なんじゃない?という声もあったが、終わってみれば無事にAFCチャンピオンとなり今年もスーパーボウルに臨む。

対してLAラムズ。QBは2016年のドラフトで全体1位という輝かしい記録を持つ若干24歳のジャレッド・ゴフ。そして33歳のショーン・マクベイがヘッドコーチを務める。ゴフ―マクベイ体制になってすぐ地区優勝を果たし、めきめきとその頭角を現してきた。そして今年はNFCチャンピオンもとしてスーパーボウルに臨む。

去年に引き続き、ペイトリオッツ(というよりブレイディ)の覇権を若いQBが抑えられるかという、世代交代という目線で楽しめるカードとなった。グラディス・ナイトが国歌を歌いあげキックオフ!

前半戦

どちらのチームもランプレイを中心にゲームを組み立てまずは小手調べというといった様相。ちまちま進んでは止められ、お互いファーストダウンもまともに取れないままパントで押し返す映像ばかりが繰り返される。ペイトリオッツ側にFGのチャンスが1Q残り5分ごろに現れるが、そのFGは失敗に終わる。その後も玄人好みのゲームが続き、2QでなんとかFGをペイトリオッツが決める。なんと前半通じて見せ場はこのシーンしかなく塩っぽく前半は終わった。という事で前半終了時点のスコアはNE 3-0 LA

ハーフタイムショー

注目のハーフタイムショーのステージはマルーン5。マルーン5が悪いわけではないが、なんだかこちらも塩っぽい。だってマルーンだぜ、マルーン。なんだか体はでかいが声が小さいラッパーとか出てくるし。灯篭流し的な演出だったりと、なんのサプライズもなくここ数年で個人的にはあまり印象に残らないハーフタイムショーとなった。

後半戦

さぁ!気を取り直して後半戦!この素敵な時間も残り半分!盛り上げていこうぜ!!!とテレビの前で意気込むもやはり後半戦に入っても塩っぽい展開が続く。特にラムズなんかは3rdコンバージョンの成功率が極端に低く、というかこれまで1回として成功していない。反対にペイトリオッツはブレイディと去年ケガで出場がかなわなかったWRエデルマンのラインがつながり始める。ディープパスは両チーム通じてあまり見かけられなかったが、ショートとミドルのパスに関してはこのホットラインが無双する。対してラムズはRBガーリーが走るもことごとくペイトリオッツのDFにつぶされる。ガーリーはシーズン3位の1,251ヤードを走り抜けた実績を持つのだが、この試合ではどうもいいところが出ない。

それでも3QにラムズはFGを返してNE 3-3 LAと同点に戻す。「これは次のポイントが試合を決めるでぇ」とこの時僕はキメ顔でそういった。ここまでロースコアなゲームの様相は野球のワールドシリーズの試合平均は8点ですと皮肉を入れられる始末に。

3QまでNE 3-3 LAとなり、ようやく動いたのが4Q。ペイトリオッツはWRエデルマンにパスを通す通す。今日はほかのWRとは息が合わないが、エデルマンとは合うようです、というか最初からそれをやれと。実況もこんな嫌味を言いながら僕らの気持ちを代弁する。でもやはりショートからミドルなのには変わりない。が、ここで頼りになる男TEロブ・グロウコンスキが男を見せる。(比較的)ディープなパスを通しタッチダウンライン手前にダウン。誰に対してもミスマッチを作る男というのは伊達じゃない。その後2ヤードタッチダウンランを新人RBソニー・ミシェルがやすやすと決めてNE 10-3 LA。そしてこれがこの試合初のタッチダウンとなる。

この後、さらにFGを決めてNE 13-3 LAとなり、ラムズは絶体絶命のピンチ。FGをさっさと決めてオンサイドキックで連続攻撃権を得てからタッチダウンを奪い、さらに2PCに成功することでようやく勝利を得る事ができるという計算に。残り数分でこれを達成するにはなかなか難しい。なぜかラムズインサイドのランプレイを多発させ止められるたびにクロックも進んでいく。なんとかFG圏内にまで進むもそのFG失敗で完全にラムズの息の根は止まった。NE 13-3 LAでペイトリオッツが勝利し、ブレイディは6度目のスーパーボウル制覇。スティーラーズを抜いて単独1位となる。

感想

スタッツはこちら。いかに塩試合だったことが数字にも見て取れる

2019-02-04 ラムズ vs ペイトリオッツ | NFL JAPAN.COM

ちなみに殴り合いをした前年度のエンターテイメントスーパーボウルのスタッツはこちら

2018-02-05 イーグルス vs ペイトリオッツ | NFL JAPAN.COM

いかに塩っ(略)。

MVPはエデルマン。たいていこの手の賞は勝利チームのQBがとるのだが、WRがとったというのはそれだけこの試合で活躍した選手を選出するのが難しかったことを物語っている。しかしながら2年前のエデルマンのスーパーキャッチから翌年の故障による欠場と2年経ってMVPを取る事が出来たというのがストーリーとして仕上がっていると思うとても面白い。

グロウコンスキは引退か?なんて噂もちらほらあるが、ブレイディはスーパーボウルも(また)獲ったし、まだまだやる気十分との事なので来年もペイトリオッツ王朝の王として君臨するのだろう。若きゴフ・マクベイには老獪なブレイディ・ベリチックに一矢報いることはできなかったが、この王朝を崩すのは若きライオンなのか、往年のライバルなのか、これからもNFLには目が離せない。

とはいえ、今年も面白かった!来年も仕事さぼって見よう!