すごい著者。「すごい実験」を読んだ
- 作者: 多田将
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2011/08/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目次
第1章 この世でもっとも大きく、もっとも精密な機械―J‐PARCはニュートリノをいかに作り出すか?
第2章 人は、「小ささ」をどこまで想像できるか?―素粒子概論―原子からクォークまで
第3章 「知」が切り拓かれる瞬間―スーパーカミオカンデはニュートリノをいかに捕らえるか?
第4章 100年後の世界のための物理学―相対性理論と宇宙について
なにがすごいって著者。イメージ検索するとそのすごさがわかる。いや、イメージ検索ではなく、普通に検索すると素粒子物理学の博士でノーベル賞を取るかもしれないと目されている人物らしい。失礼ながら人はみかけによらないとはこのこと。でも数学とか物理学の先生ってこんな人がいるイメージはあったので特段おどろかない。
すごい実験とはJ-PARCに設置してある素粒子加速器をつかった実験の事で、そもそもそこで何をやっているのかという内容から、素粒子物理学とはなんなのかというのを本書では書いている。CERNが有するLHCと同じ装置が日本にあったという事だけでも驚き。高校生に向けた特別授業を元にしているという事もあって非常にわかりやすい。タウとかミューとか知っている前提で進んでいる項もあったが、そこは知っているふりでもしないと高校生に負けてしまう。だが、わかりやすいという事には変わりなく、なるほどこの先生の評判ももっともだ。
本書では何をやる施設なのか知らないと想像もつかないスーパーカミオカンデを使った実験にも言及している。巨大な建築物が好きなので、前から要チェックしてたのだが、その岐阜のカミオカンデと茨城のJ-PARKとはある意味セットになっている実験施設だというのを初めて知り、すげーぜ日本の物理学分野!と誇らしくなった。
ちなみにカミオカンデは年に一回見学できる日がある。
GSAというイベントなのだが、残念ながら2015年の応募は終了してた。いつか行ってみたいリストに当然入っている。