僕はノストラダムスが怖かった。Future is WILD
特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
The Future is WILD
- 作者: ドゥーガル・ディクソン,ジョン・アダムス,松井孝典,土屋晶子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/01/08
- メディア: 単行本
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やはりこれかと。SFの世界がこの世界の延長線上にあることを印象付けた一冊だ。
ノストラダムスの大予言
僕はノストラダムスの大予言が異様に怖かった。1999年7の月が来るのを相当恐れた。新約聖書だってヨハネの黙示録だけを何回も読んだ。そして人類がいなくなった地球のことを考えこむことが多かった。それは生物は何一つ存在しない、植物さえ存在しない岩だらけの星で、さながら原始地球のような想像をよくしていた。
幸いにもノストラダムスの予言どおりに人類は滅亡することはなく、2016年まで時を進めることができている。そんなノストラダムス狂騒が過ぎて誰もが忘れたあたりでこの本は出版されたのを覚えている。
人類滅亡後の世界
海中の生物が陸に上がり、恐竜が覇権をとっていた時代が過ぎ、現在は哺乳類、特に人類が地球の覇権を取っている。人類が滅亡したのちに地球上で蠢く生物はどのようなものだろうか?というのが本書の構成。人類滅亡後は生物が何もいなくなる想像ばかりしていたので、この本の指摘は何もかもが新しかった。これまでの生物の進化の過程などを踏まえて科学的な理論の裏付けから新たな生物を創造、いや想像する。まさかイカが陸上を歩くようになるなんて!8tとかデカすぎだろと思ったが、大王イカといった規格外の生物の発見もされ、ちょうどメガマウスも水揚げされたニュースがでたばかりなので、そんな事もあるかもねと思わせる。
僕はこの本を読むことで何億年も先のことを考え、ノストラダムスの呪縛から一気に解き放たれた気がしたのだ。
SFとはなんだろうか
SFとはScience Fictionの略であり、日本語では空想科学と訳される。SFのジャンルに登場する便利な道具や異形な生物は空想から生み出されている。本書の登場人物(?)も大概が異形な生物だ。きっとそれは何かしら科学的な根拠をもとに想像されたものなのだろうとこの本を読んだ後では思う。きっと僕らの未来もそこにつながっていくのだと。そうでなければただの魔法だ。Science Fantasyだ。
では、未来を想像で語るこの本のジャンルはなんだろうか?同じようにSFなのだろうか?それともScience Future(is WILD)とでもいうべきなのだろうか?